ハウスメーカーの売上が高い順に並べたハウスメーカーランキングを見ると、業界の勢いはつかめます。
ただし、売上が大きい会社がそのまま「あなたに合う会社」とは限りません。戸建てだけでなく賃貸やマンション、海外事業まで含む会社もあり、数字の背景が違うからです。
この記事では、最新の売上ランキングの全体像を整理しつつ、数字に振り回されずに比較するコツを、初心者向けにやさしく解説します。
ハウスメーカーランキング 売上で見る最新勢力図(2025年版)
まずは、売上高という一つの物差しで「業界の大きさ」と「主要プレーヤー」を押さえます。次に、決算期や事業範囲の違いを知り、数字を正しく読める状態にしましょう。
売上高ランキングは何を比べているのか
売上高は、ざっくり言うと「1年間でいくら売れたか」です。住宅会社の場合、注文住宅だけでなく、賃貸住宅の建築、分譲、リフォーム、不動産管理なども含まれることがあります。
そのため、同じ「ハウスメーカー」でも、戸建て中心の会社と、街づくりや賃貸管理まで手がける会社では、売上の積み上げ方が違います。まずは事業の幅を想像すると理解が進みます。
最新TOP10一覧と決算期の違いに注意
ランキング表は便利ですが、決算期が会社ごとに異なる点に注意が必要です。例えば1月決算の会社と3月決算の会社では、集計している期間がずれています。
また、買収などで会社の範囲が変わると、前年と単純に比べにくくなります。表を見るときは「連結(グループ全体)」かどうかと、決算期も一緒に確認しましょう。
上位企業の売上が大きい理由
上位に来る企業は、戸建て以外の柱を持っていることが多いです。賃貸住宅、商業施設、マンション、海外事業などが合わさると、売上の土台が厚くなります。
さらに、管理やリフォームといった「建てた後の仕事」が伸びると、景気の波を受けにくくなります。家づくりの安心感を見るうえでも、事業の分散は一つのヒントになります。
非上場メーカーの数字の読み方
非上場企業は、有価証券報告書のような開示が必ずしも同じ形ではありません。売上を公表していても、単体なのかグループなのか、基準が違う場合があります。
そのため、非上場メーカーの数字は「参考値」として扱い、比較するときは決算期や範囲をそろえる意識が大切です。数字だけで優劣を決めず、強みと弱みの説明をセットで読みましょう。
| 順位 | 会社名 | 売上高(連結・直近期の目安) | 決算期 |
|---|---|---|---|
| 1 | 大和ハウス工業 | 約5兆4,348億円 | 2025年3月期 |
| 2 | 積水ハウス | 約4兆0,585億円 | 2025年1月期 |
| 3 | 住友林業 | 約2兆0,537億円 | 2024年12月期 |
| 4 | 飯田グループホールディングス | 約1兆4,596億円 | 2025年3月期 |
| 5 | オープンハウスグループ | 約1兆2,958億円 | 2024年9月期 |
| 6 | 積水化学工業(住宅関連を含む) | 約1兆2,978億円 | 2025年3月期 |
| 7 | 旭化成ホームズ | 約9,935億円 | 2025年3月期 |
| 8 | 一条工務店(公表資料ベース) | 約5,664億円 | 2025年3月期 |
| 9 | ミサワホーム | 約4,831億円 | 2025年3月期 |
| 10 | パナソニック ホームズ | 約3,720億円 | 2025年3月期 |
ミニQ&Aを2つだけ押さえると、表の読み間違いが減ります。
Q:売上が高い会社は、施工品質も必ず高いですか。A:必ずしも一致しません。売上には賃貸管理や海外事業も入るため、品質は別の指標で確認が必要です。
Q:決算期が違うと何が困りますか。A:同じ年でも対象期間がずれます。比較するときは「直近期」をそろえ、前年差は参考程度に見ると安全です。
- 売上は「会社の規模」をつかむ指標です
- 決算期と連結範囲を先に確認します
- 非上場の数値は前提条件をセットで読みます
- 数字の裏にある事業内容も見ます
売上高だけで決めないための比較ポイント
売上が大きくても、あなたの希望とズレることは普通にあります。ここでは、初心者でも確認しやすい「数字以外の比較軸」を整理し、納得して絞り込むための材料にします。
受注残と着工数で「先行き」を読む
受注残は、すでに契約していて今後売上になる見込みの仕事量です。これが厚い会社は、景気の変動があっても現場が回りやすい傾向があります。
着工数(実際に建て始めた棟数)も参考になります。ただし、着工数が多いほど良いとは限らず、品質管理の体制や職人確保が追いついているかも合わせて見たいところです。
営業利益率と財務体力も合わせて見る
営業利益率は、売上から原価や販管費を引いた「稼ぐ力」を見る目安です。同じ売上でも利益率が違うと、値引きの余力やアフターへの投資姿勢に差が出ることがあります。
また、自己資本比率や借入の状況など、財務体力も大切です。長い保証期間をうたうなら、その約束を続けられる体力があるかを、決算資料や会社情報で確認しましょう。
坪単価と標準仕様が家計に与える影響
坪単価は、同じ延床面積でも総額が変わるため、予算を考えるうえで役立ちます。ただし、坪単価には外構や照明、カーテンが含まれるかなど、条件の違いが混ざりやすいです。
そこで効くのが標準仕様の比較です。断熱等級相当の内容、窓のグレード、設備のランクが標準でどこまで入るかで、後からの追加費用が大きく変わることがあります。
保証とアフター対応は数字に出にくい
家は建てて終わりではなく、住んでからの修理や点検が続きます。保証年数だけでなく、定期点検の頻度、無償と有償の境目、連絡窓口の体制を確認するのがコツです。
また、施工のばらつきは「現場監督の人数」や「協力会社との関係」に影響されます。展示場の説明だけでなく、引き渡し後の対応事例も聞くと判断しやすくなります。
坪単価は条件が混ざりやすいので、見積もりの範囲をそろえます。
保証は年数だけでなく、点検の中身と費用負担の線引きを確認します。
具体例として、A社とB社で迷った場合は「標準仕様の差」を先に見ましょう。断熱や窓が標準で高いなら、初期費用は上がっても、追加費用と光熱費の両面で納得しやすくなります。
- 受注残と着工数は「今後の安定感」の材料です
- 利益率は値引きよりも体力の目安になります
- 坪単価は条件をそろえないと比べにくいです
- 保証は中身と費用負担まで確認します
自分に合うメーカーを絞る実務的な手順
候補が増えるほど、比較は難しくなります。そこで、土地や性能、予算といった優先順位を先に決め、同じ基準で見積もりと提案を並べる手順にすると迷いが減ります。
土地条件と間取り制約から逆算する
まず見るべきは土地条件です。間口が狭い、北道路、旗竿地など条件があると、得意不得意がメーカーで分かれます。自由設計の幅だけでなく、法規の確認力も重要になります。
例えば、斜線制限や建ぺい率の中で希望の間取りが入るかは、初期提案で差が出ます。土地が先なら、候補メーカーを「土地対応が強い会社」から選ぶのが近道です。
性能優先か、コスト優先かを先に決める
性能は、断熱・気密、耐震、換気などが代表です。全部盛りにすると予算が膨らむので、家族の暮らしに直結する優先順位を決めるとスムーズです。
例えば「寒さが苦手で光熱費も抑えたい」なら断熱と窓を重視し、「家族が多く生活動線を優先したい」なら間取りと収納を重視します。優先順位があると提案の評価が楽になります。
担当者との相性は「提案の根拠」で見抜く
同じ会社でも、担当者で体験が変わります。相性を見るときは、話しやすさだけでなく「なぜその提案なのか」を説明できるかが重要です。
要望を聞いて終わりではなく、日当たりや家事動線、将来の可変性まで含めて根拠を示してくれる担当者は、打ち合わせが進んでもブレにくい傾向があります。
比較表を作ると迷いが減る
おすすめは、A4一枚の比較表です。列にメーカー名、行に性能、標準仕様、保証、見積もり範囲、提案の満足度などを置き、同じ項目で埋めます。
こうすると「なんとなく良い」が言語化され、家族でも共有しやすくなります。最後は好みも入りますが、比較表があると、後から見返しても納得しやすい決め方になります。
1段階目:土地条件で対応可否を判断。
2段階目:性能かコストか、優先順位を決める。
3段階目:同じ項目の比較表で最終判断。
ミニQ&Aで、よくあるつまずきを整理します。
Q:候補は何社までが現実的ですか。A:比較表を作る前提なら3社程度が管理しやすいです。多すぎると見積もり条件がそろわず、逆に迷いやすくなります。
Q:展示場で何を確認すればいいですか。A:標準仕様の範囲と、追加費用になりやすい項目を聞きます。体感は大切ですが、数字と条件をセットで持ち帰るのがコツです。
- 土地条件で「できる・できない」を先に仕分けます
- 性能とコストの優先順位を家族で合わせます
- 担当者は提案の根拠で判断します
- 比較表があると最後の決断が楽になります
噂や評判に振り回されないための注意点
ネットの評判は参考になりますが、情報の前提が欠けていると誤解が生まれます。ここでは、強い言い切りに引っぱられず、現実的にリスクを減らす見方と確認項目をまとめます。
「やめた方がいい」系の情報は前提を確認
強い言葉の情報は、読む側の不安を刺激します。ただし、価格帯、担当者、工事時期、地域の施工体制など条件が違うと、同じ会社でも体験は変わります。
まずは「いつの話か」「何が不満だったのか」を分解して読みましょう。例えば、打ち合わせの不満なのか、施工なのか、アフターなのかで、取るべき対策は変わります。
欠陥情報は件数より再発防止策を見る
欠陥という言葉は重いですが、住宅は工程が多く、ミスがゼロとは言い切れません。大事なのは、問題が起きたときに隠すのか、直すのか、再発を防ぐのかです。
説明の透明性、是正の手順、第三者検査の有無などを確認すると、会社の姿勢が見えます。心配なら、契約前に現場見学や検査体制について具体的に質問しましょう。
見積もりの内訳で落とし穴を減らす
見積もりでありがちな落とし穴は「本体価格は安いのに、別途工事が多い」パターンです。外構、地盤改良、照明、空調、カーテンなどが別だと総額が跳ね上がります。
比較するときは、各社に同じ前提で出してもらい、含まれていない項目を一覧にします。追加費用が出やすい部分を先に見える化すると、後悔が減ります。
契約前に第三者チェックを入れる
契約書や仕様書は、言葉が難しく感じます。分からないまま進めると、後で「聞いていない」が起きやすいので、第三者のチェックを入れるのは有効です。
例えば、住宅診断(ホームインスペクション)や、建築士へのセカンドオピニオンで、図面や仕様の抜けを見てもらえます。費用はかかっても、安心を買う選択になります。
いつの話か。どの工程の話か。誰が対応した話か。
この3つが分かると、感情に流されず対策が立てやすくなります。
具体例として、見積もりが2社で大きく違うときは「別途工事」と「標準仕様」の差を疑います。総額でそろえるために、含まれる範囲を表にして並べると、原因が見えてきます。
- 強い評判は前提条件を分解して読みます
- 問題の有無より、再発防止策と透明性を見ます
- 見積もりは本体以外の範囲が重要です
- 契約前は第三者チェックで抜けを減らします
まとめ
ハウスメーカーの売上ランキングは、業界の大きな流れや主要企業をつかむのに役立ちます。一方で、売上は事業の幅や決算期の違いで見え方が変わるため、数字だけで結論を出すのは危険です。
比較では、受注残や利益率、標準仕様、保証といった「暮らしに直結する項目」を同じ前提で並べることが大切です。土地条件や性能の優先順位を先に決め、比較表で整理すると迷いが減ります。
最後は担当者の提案の根拠や、契約前の確認で安心を積み上げましょう。ランキングは出発点にして、あなたの判断軸で納得できる選択につなげてください。


