8000万の家を買える人の年収を試算|返済負担率で見落とし防止

日本人男性が8000万の家の雰囲気を確認する様子 住宅情報サービス・相談

8000万の家を買える人の年収は、単に「いくら借りられるか」だけで決まりません。住宅ローンの審査に通っても、毎月の返済が生活を圧迫すると、家の満足感より不安が大きくなりがちです。

そこでこの記事では、「借りられる年収」と「無理なく返せる年収」を分けて考えながら、月々の返済額の目安、頭金や諸費用、購入後に増える固定費まで、ひとつずつほどいていきます。

数字が多くて苦手でも大丈夫です。最後まで読むと、家計の中でどこを見れば判断できるのかが見えてきます。つまり、気持ちではなく根拠で「買ってよい予算」を決められるようになります。

「8000万の家を買える人 年収」を決める3つの考え方

まず押さえたいのは、同じ年収でも「買って平気な人」と「後から苦しくなる人」が分かれることです。ここでは判断の土台になる3つの見方を、生活の感覚に近い形で整理します。

借りられる年収と、無理なく返せる年収は別物

住宅ローンは、年収や勤続年数などから「この人なら返せそう」と見込まれると借りられます。ただしそれは、最低限の返済ができる可能性を見ているだけで、毎月の暮らしの余裕まで保証するものではありません。

例えば、同じ世帯年収1,200万円でも、教育費がこれから増える家庭と、支出が落ち着いている家庭では、体感の重さが違います。そのため「審査に通る」と「買って安心」は別の話だと考えるのが出発点になります。

返済負担率は「手取り」で見ると判断しやすい

返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)はよく使われますが、実際の生活は手取りで回ります。税金や社会保険料が引かれるため、年収の数字だけで判断すると「思ったより残らない」が起きやすいからです。

目安としては、住宅費(ローン返済に加えて管理費なども含む)が手取りの2〜3割に収まると、家計が息継ぎしやすくなります。逆に3割を超えると、急な出費が来たときに貯蓄を崩しやすくなるでしょう。

年齢・勤続年数・他の借入で審査結果が変わる

同じ年収でも、年齢や勤続年数、他の借入があるかで結果は変わります。車のローンやカードの分割があると、住宅ローンの返済余力が小さく見えるため、希望額に届かないこともあります。

また、返済期間を長く取れるかどうかも大きな分かれ目です。定年後も返済が続く設計だと、老後資金との綱引きになります。まずは「何歳で完済したいか」を置いてから、借入額を逆算するとブレにくくなります。

目安の考え方(ざっくり)
・8,000万円をフルで借りるなら、世帯年収は1,100万〜1,500万円あたりを起点に家計で確認
・住宅費は「手取りの2〜3割」に収まるかをチェック
・頭金と諸費用は、ローンとは別の財布で考える

もちろん家庭によって支出は違うので、上の数字は「入口の目安」です。次の章で、月々いくらになるのかを具体的に見ていきましょう。

Q. 世帯年収が1,000万円台でも厳しいですか。A. 返済額だけを見ると届く場合もありますが、教育費や車の買い替えが重なると苦しくなりやすいです。頭金を増やして借入を減らすか、住宅費全体で2〜3割に収まるかで判断すると安心です。

Q. 共働きなら合算すれば大丈夫ですか。A. 合算は借りやすくなりますが、片方の休職や退職に弱くなります。どちらか一人の収入でも一定期間回せる設計かどうかを、先に確かめておくと失敗が減ります。

  • 「審査に通る」と「暮らしがラク」は別の話
  • 住宅費は年収より「手取り」で見ると実感に合う
  • 定年までに完済できるかが分かれ目になる
  • 世帯年収の目安は、家計で検算してから信じる

住宅ローン8,000万円の月々返済額を金利別に試算

判断の軸が見えてきたところで、次は毎月いくら払う形になるのかを確認します。金利が少し違うだけで総返済額が大きく変わるため、ここは丁寧に見ておくと後悔しにくくなります。

35年返済のざっくりシミュレーション(概算)

8,000万円を35年で返す場合、月々の返済はおおむね21万〜26万円台がひとつの目安になります。意外に思われるかもしれませんが、金利が1%上がるだけでも、毎月の差はじわじわ効いてきます。

ここで大切なのは、月々返済だけで安心しないことです。返済は長距離走なので、途中で家電の買い替えや教育費の山が来ても走り続けられるかを、同時に考えておきたいところです。

変動金利と固定金利、選び方のコツ

変動金利は当初の返済が軽くなりやすい一方で、金利が上がると返済額も上がる可能性があります。つまり、家計に余白がない状態で選ぶと、後から「毎月がきつい」につながりやすいです。

固定金利は毎月の見通しが立ちやすく、家計の設計がしやすいのが良さです。ただし金利が高めになりやすいので、安心料を払う感覚に近いでしょう。迷ったら「上がっても耐えられるか」で選ぶと筋が通ります。

ボーナス併用は家計の痛点になりやすい

ボーナス併用返済は、毎月の負担を軽く見せられる反面、家計の弱点を作りやすい方法です。ボーナスは景気や会社の業績で変動しやすく、減った年に一気に苦しくなることがあります。

さらに、ボーナス時期は車検や旅行、帰省など支出が重なりがちです。そのため、ボーナスは「繰上返済や貯蓄に回せたらラッキー」くらいの位置づけにして、毎月の返済で完結する形を目指すと安心です。

返済期間を延ばす前に見直したいこと

返済期間を40年、50年に延ばすと月々は下がりやすいですが、総返済は増えやすくなります。つまり、目先の家計は楽でも、長期的には利息を多く払う設計になりがちです。

そのため、期間を延ばす前に「物件価格を少し落とせないか」「頭金を増やせないか」「車や教育費の計画はどうか」を先に点検すると良いでしょう。家計の土台が整えば、短めの期間でも選択肢が広がります。

金利(年) 返済期間 月々返済(概算) 総返済(概算)
0.6%35年約21.1万円約8,871万円
1.2%35年約23.3万円約9,801万円
1.5%35年約24.5万円約1億288万円
1.8%35年約25.7万円約1億789万円

上の表は、借入8,000万円・元利均等・35年の概算です。実際は団信の内容や諸条件で変わるので、「だいたいの幅」をつかむために使ってみてください。

例えば、金利1.2%で月々約23.3万円だとしても、マンションなら管理費・修繕積立金が上乗せされることがあります。つまり、ローンの数字だけで家計に当てはめると、後からズレが出やすいです。

そこで、家計簿の固定費に「住宅費枠」を作り、ローン以外も同じ箱に入れてみると現実が見えます。家計の箱があふれないかを確かめるのが、シミュレーションのいちばんの目的です。

  • 8,000万円35年の返済は、概算で月21万〜26万円台
  • 金利差は毎月だけでなく、総返済に大きく効く
  • ボーナス併用は、家計の弱点になりやすい
  • 期間延長の前に、物件価格と頭金を見直す
  • ローン以外の住宅費も同じ箱で考える

頭金・諸費用・引っ越し後の維持費まで含めて考える

ここまで返済額を見てきましたが、実は購入時点で「ローン以外に出ていくお金」もかなりあります。そこでこの章では、頭金・諸費用・住み始めてからの固定費を、ひとまとめにして考えます。

頭金を入れると「借入額」と心理的負担が下がる理由

頭金を入れると借入額が減るため、利息の総額も減りやすくなります。さらに大きいのが、家計のストレスが下がることです。毎月の返済が少し下がるだけでも、貯蓄のペースが整いやすくなります。

ただし、頭金を入れすぎて手元資金が薄くなるのは避けたいところです。引っ越し直後は家具家電の買い替えや、住んでみて分かる追加工事が起きがちです。そのため「入れた後も生活防衛資金が残るか」が大切になります。

諸費用は物件価格とは別枠で必要になりやすい

家の購入には、登記費用やローン手数料、火災保険料、税金などの諸費用がかかります。目安としては物件価格の数%程度と言われますが、ローン商品や買い方で増減します。

つまり、物件が8,000万円だからといって、用意する現金が8,000万円に収まるわけではありません。ここを見落とすと、契約直前に資金が足りずに慌てることがあります。早めに「別枠の現金」を積んでおくと安心です。

マンションと戸建てで違う、毎月の固定費

8000万の家に相応しい住環境の様子

マンションは管理費・修繕積立金・駐車場代など、住んでいるだけで出ていく固定費が発生しやすいです。最初は安く見えても、将来の修繕計画に合わせて積立金が上がるケースもあります。

一方で戸建ては、管理費のような毎月の徴収は少ない代わりに、外壁や屋根などの修繕費を自分で準備する必要があります。つまり「毎月払うか、数年ごとにまとめて払うか」の違いで、どちらも備えは欠かせません。

ローンと別に見たいお金
・諸費用(登記、手数料、保険、税金など)
・引っ越しと家具家電の買い替え
・当面の予備費(想定外に備える現金)
・住んでからの固定費(管理費や修繕の積立など)

「買えるかどうか」を決めるときは、ローンだけを見ず、これらを同じ画面に並べるのがコツです。

Q. 頭金は多いほど正解ですか。A. 借入が減るメリットはありますが、手元資金が減りすぎると急な出費に弱くなります。目安としては、入れた後も数か月分の生活費を現金で残せるかを確かめると良いでしょう。

Q. 諸費用はローンに含められますか。A. 商品によっては一部を借入に含められることもあります。ただし借入が増える分、返済も増えます。現金で払う部分と借りる部分を分けて、月々の住宅費が膨らまない形を探すのが現実的です。

  • 頭金は「入れた後の手元資金」までセットで考える
  • 諸費用は物件価格とは別にかかる前提で準備する
  • マンションは毎月の固定費、戸建ては将来修繕の備えが要点
  • ローン以外の出費を同じ画面で並べると判断しやすい

子育て・老後・金利上昇に備える家計シミュレーション

購入時の資金が見えたら、次は「買った後の時間」を考えます。住宅ローンは長いので、家計のイベントを織り込むほど、途中で息切れしにくくなります。

教育費は「支出の山」が複数回やってくる

子育て世帯で見落としやすいのが、教育費が一直線に増えるのではなく、山が何度も来る点です。幼児期の保育料、習い事、受験期の塾、進学時の入学金など、タイミングがずれて重なります。

そのため、住宅費をギリギリまで上げてしまうと、教育費の山が来た瞬間に家計が詰まります。まずは「毎月の貯蓄が続く住宅費」に収めるのが、長期戦を勝つコツだと考えてみてください。

金利が上がると返済額はどう動くか

先ほどの概算では、金利0.6%の月々約21.1万円に対して、1.5%だと約24.5万円でした。差は月3万円台でも、毎月積み上がると家計には効きます。

変動金利を選ぶ場合は「上がっても耐えられる設計」が前提になります。具体的には、返済額が増えても貯蓄がゼロにならないか、教育費の山と重なっても乗り切れるかを、あらかじめ確かめておくと安心です。

収入減や転職が起きても回る仕組みを作る

長い返済期間では、転職や休職、家族の病気など、想定外は必ず起きると思っておく方が現実的です。そのため、毎月の返済がギリギリだと、ひとつの出来事で一気に苦しくなります。

おすすめは、生活防衛資金を先に作り、さらに固定費を下げる工夫を入れることです。例えば保険料や通信費など、見直せる固定費が残っていると、いざというときの「逃げ道」になります。

将来の出費 起きやすいタイミング 目安の考え方(例)
教育費・習い事幼児期〜進学期月数万円単位で増減しやすい
マンションの管理費・修繕積立数年ごとに見直し月3万〜5万円台になる例もある
戸建ての外壁・屋根など修繕10〜15年ごと数十万円〜数百万円を積立で準備
固定資産税など税金毎年数十万円程度を年払いで想定

上の表はあくまで「家計に入れておくべき箱」のイメージです。金額は地域や住宅の仕様で変わるので、あなたの前提で上書きしていきましょう。

例えば、ローン返済23万円に加えて、マンションの固定費が毎月4万円あるとします。住宅費は合計27万円になり、ここに教育費の山が重なると、貯蓄が止まる可能性が出てきます。

そこで、購入前に「今の貯蓄ペースが購入後も続くか」を試算すると、無理のないラインが見えます。数字は不安を増やすためではなく、安心を作るために使うものだと考えてみてください。

  • 教育費は山が複数回くる前提で余白を残す
  • 金利上昇の影響は「月3万円台」でも長期で効く
  • 想定外に備えて、生活防衛資金と固定費の逃げ道を作る
  • 将来の出費は「箱」を用意して家計に入れておく

ペアローン・収入合算を使う前に知っておきたい注意点

ここまでで「月々の重さ」と「将来の波」を見てきました。最後に、8,000万円クラスでよく検討されるペアローンや収入合算について、便利さと落とし穴をセットで整理します。

合算すると借りやすいが、片方の変化に弱い

ペアローンや収入合算は、世帯としての返済力を見せやすくなるため、借入枠が広がりやすい方法です。一方で、片方が育休や転職で収入が下がると、家計のバランスが一気に崩れることがあります。

つまり、合算は「二人で走る前提の設計」になりやすいのです。そこで、どちらか一人の収入になっても一定期間は回るか、最初から家計の避難計画を作っておくと安心感が変わります。

団信や税制の扱いで「得」と「損」が分かれる

団信(団体信用生命保険)は、万が一のときにローンがどうなるかに直結します。ペアローンでは契約が2本になるため、保障の考え方も2本立てになります。ここを理解せずに進めると、想像と違ったとなりやすいです。

税制の優遇も、誰がどれだけ借りて、誰が返しているかで整理が必要になります。細かい条件は年ごとに変わることもあるため、契約前に金融機関や専門家に「我が家の前提」で確認しておくと安全です。

購入前チェックリスト:数字を3つだけ押さえる

情報が多いと迷うので、最後は数字を3つに絞ります。1つ目は住宅費の合計(ローン返済+管理費など)です。2つ目は生活防衛資金として残す現金の目安です。3つ目は将来の支出イベントを入れても貯蓄が続くか、という視点です。

この3つが揃うと、「買えるか」ではなく「買っても大丈夫か」に答えが出せます。結論として、背伸びした物件を選ぶより、家計に余白が残る価格帯の方が、住んだ後の満足度が上がりやすいでしょう。

相談前にメモしておくと便利
・毎月の住宅費(ローン+固定費)の合計
・手元に残す現金の最低ライン
・完済したい年齢と、教育費の山の時期

このメモがあるだけで、金融機関や相談先の話が「自分ごと」になり、判断が早くなります。

Q. 収入合算にすると、どちらかが退職したらどうなりますか。A. 返済は続くため、家計の余白が小さいと一気に苦しくなります。片方の収入だけでも一定期間回せるか、または早めに借入を圧縮できる計画があるかを確認しておくと安心です。

Q. ペアローンは共働きなら使うべきですか。A. 便利な場面はありますが、契約が2本になる分、管理も複雑になります。団信の内容や将来の働き方まで含めて「二人で走り続けられる前提か」を点検してから選ぶと失敗しにくいです。

  • 合算は借りやすいが、片方の変化に弱くなる
  • 団信や税制は「我が家の前提」で確認しておく
  • 住宅費合計・手元資金・将来イベントの3つで判断する
  • 余白が残る価格帯ほど、住んだ後の満足が伸びやすい

まとめ

8000万の家を買える人の年収は、単に年収の数字だけで決まるものではありません。審査に通るかどうかと、暮らしが安定するかどうかは別なので、手取りに対する住宅費の重さで見直すのが近道です。

8,000万円の返済は金利によって月々の差が出ますし、マンションなら管理費などの固定費も乗ります。さらに頭金や諸費用、将来の教育費の山まで入れて初めて「無理がないか」が見えてきます。

迷ったら、住宅費の合計、手元に残す現金、完済したい年齢の3つをメモして、前提を揃えて検討してみてください。数字は不安を増やすためではなく、納得して決めるための道具になります。

当ブログの主な情報源